株式会社ホーマーコーポレーション
課題
- 日報やトラブル報告書等に情報が散在していて活用できるデータになっていない
- 紙ベースでの記録が中心で同じ機械トラブルが多発してしまう状況
解決策
-
M2Xで、設備トラブルの記録を一元化
- リアルタイムでの情報共有により、トラブル対応スピードを向上
導入効果
- 先行導入した製造2課での稼働率上昇・製品ロス減少を実現
- 同課での年間の設備トラブル停止時間が大幅に減少
- 部品交換頻度の適正化
- 現場コミュニケーション活性化による多能工化の推進
”今しっかりと記録することが先々の自分たちのためになる” M2Xは自社に合った保全活動を行うための最適なツール
ホーマーコーポレーション様は、UCCの100%出資子会社として、コーヒー、紅茶を中心とした紙パック飲料の製造を手がけています。“おいしさと安全”に徹底的にこだわり、お客様に喜んでいただける製品づくりに社員一丸となって注力しながら成長を続けていらっしゃいます。
今回は、導入前の課題や導入後の効果について以下の皆様よりお話をお伺いしました。
工場長:田中様
製造責任者:前川様
製造2課:西迫係長、藤堂主任
製造3課:寶藤課長代理
M2X導入前はどのような課題をお持ちでしたか?
設備トラブルを減らし、予防保全を進めていきたいと考えていました。
日報等に設備トラブルを記録していたものの、必ずしも記録に残らないものもあり、同じトラブルが繰り返されてしまうこともありました。また、報告書も紙ベースだったため、実態として当日中に状況を把握できず、報告書が回ってきて初めて状況がわかるということも多かったです。電子化することで、リアルタイムで状況が見える化できるのでは、と期待しました。
トラブル報告の書き方についても、課題を感じていました。
簡潔に書く人もいれば、詳しく丁寧に書く人もいたりと、人によって書き方や内容もバラバラで、誰が見ても状況を把握できるような記録にはなっていませんでした。また、製造2課には同じ設備が2ラインあり、同じ構造ですが、以前は略称の書き間違いが生じて、探しにくいことも多々ありました。
トラブル報告書には詳細を書き、引継ぎ日報に要点のみを書くといったパターンもあり、情報が散らばっているということも課題でした。一箇所を見れば全てが把握できるといったものがなく、関係者への効率的な情報共有ができていませんでした。様々な帳票に記録が散らばっていたため、異常があった際に過去の数値履歴を見ようとしても、どこを見ればよいかわからない、といったこともありましたね。
M2Xでは、画像を残したり、設備の部位までを設備として設定できる点もメリットだと感じました。実際に、M2Xを活用してから、記録の間違いはほぼなくなりました。
トラブル記録の書き方はバラバラ、様々な帳票に情報が散在する等、課題だらけの状態
M2Xを導入してみて、率直にどのような効果を感じていますか?
まず、自分がいない時に起きたことが簡単に把握できるようになりました。以前は「この件って誰がどう対応したのか?」を聞いて回るようなこともありましたが、M2Xを見れば概ね理解でき、気になった点があればM2Xの中で簡単にコミュニケーションできます。
また、画像も非常に有効だと感じています。文字情報のみで記載するよりも、写真に赤丸を入れて具体的な調整箇所を示す等ができ、何が起きたのか・どう対応したのかを一目で理解できます。画像については、これまで記録できていなかったこともあり、当初から積極的に使っていこうと話していました。
同じ部品を10箇所以上に使っているような設備があり、そのような設備でいつどの箇所の部品を交換したかの周期を把握できるようになった点も効果として感じています。メーカー推奨の交換頻度ではなく、実際にどうだったかを振り返ることができるようになり、自社に合った保全活動ができるようになったと感じています。
また、全く違う面での効果ですが、従来、各自は担当ラインの設備のことしかわからない状態でサイロ化していましたが、今後は多能工化にも繋げられる兆しを感じています。これは、M2Xを通じて、これまでよりも質の高い記録を残せていることと、それによって社内の連携が活性化していることの効果だと思います。
情報の一元化と、データの質・量が増えたことで、対応のスピード向上。
各ラインの情報が可視化され、多能工化への兆しも…
定量面での効果はいかがでしょうか?
先行スタートした2課においては、実際に機械トラブルの時間が大幅に減っています。今年度の実績でも、トラブル停止時間は累積で数十時間以上減っています。
これは、現場がしっかりとM2Xを運用しているからこその効果だと思います。
トラブル停止時間以外でも、実際の数字はお伝えできませんが、稼働率の上昇、製品ロスの削減といった効果も出ています。M2Xを活用して現場の対応力が向上していることの成果だと考えています。
皆様のご活用の賜物だと思いますが、このような成果を出すまでに工夫された点や苦労された点についてはいかがでしょうか?
実際、導入当初は各担当者に積極的に触ってもらう機会を作ることが難しかったです。できるだけ、多くのメンバーにM2Xとの定例会に参加してもらうよう働きかけ「こういうこともできる、ああいうこともできる」と理解を深めてもらうことで、若手を中心に触る機会を増やしていきました。
正直、自分自身も最初は面倒だな…と感じたこともありました(笑)。しかし、利用する中で「今しっかりと記録することで、先々が楽になる」と実感したので、自分自身も周りにそれを伝えていかなければならないと感じています。
先程効果としてお伝えしたように、以前はベテランの方の感覚でやっていた部分が大きかったですが、そういったものではなく自分たちでデータを活用しながら適切なやり方を導き出せるので、先々の自分たちのためになる、と感じています。
当たり前ではありますが、ひたすら口頭で言い続けることも重要だと感じています。一番それを感じるのは、M2Xのコメント機能でのやり取りです。各トラブル記録に対して、前川課長から担当者に質問し、担当者が回答するという流れができていますが、各担当者が理解を深める場として機能しています。現場が対策を考えて実行する、という流れができています。
この流れによって、実際のトラブル解決までのスピードも早くなっています。
”M2Xがきっかけで、社員が自発的にナレッジ習得する風土に”
M2Xの導入を検討している企業にメッセージをお願いします
M2Xを導入して非常に良いと感じているところが2つあります。
1つ目は M2Xで作成できる月間トラブル件数や停止時間のグラフを現場に貼り出すようになって、現場の士気が向上しました。もっとトラブルを減らそう・停止時間を減らそうという良い意識づけになっています。
2つ目は、自発的にナレッジを学ぼうとする社員が増えていることです。
以前の紙ベースで記録を蓄積する運用は、一部の熱心な社員であれば、記録を確認してその担当者に聞きに行くといったこともしていましたが、結果的には個々人がナレッジを蓄える形になっていました。
M2X導入により誰でも簡単に記録を確認できる環境になったことで、他人に聞きに行く/他部署の情報を収集することのハードルが大きく下がりました。その結果、設備保全に関するナレッジを蓄えようと、自発的に行動する社員が増えていて、会社としても良い風土作りができていると感じています。