工場長
製造課 課長
製造課 係長
品質保証課 係長
株式会社コスモフーズ様は、高い品質と安心で安全な製品をお届けすることを使命として、飲料製造事業を展開されており、多品種・少容量製品に強みをお持ちです。容器はボトル缶、瓶、ペットボトル、中身液は炭酸飲料、スポーツドリンク、機能性飲料と多岐にわたるOEM製品を製造しています。
今回は、M2Xの導入を主導いただいた埼玉神川工場の工場長・大野様、製造課 課長・熊倉様、製造課 係長・田村様、品質保証課 係長・熊倉様に、導入に至った経緯や、導入後の効果について、お話をお伺いしました。
スプレッドシートで工程トラブルの進捗管理は行っていたものの、
状況確認のためのコミュニケーションコストが発生していた…
以前は全て紙帳票でトラブル記録を取って管理していましたが、ちょうど1年程前からスプレッドシートで管理するようになりました。
スプレッドシート化したことで、紙帳票に比べて一覧性も上がり、情報連携もしやすくなりましたが、記録者によって記載内容の粒度や観点にバラつきがあり、テキストから状況を的確に把握することが難しいケースが多々ありました。結果として、製造課長が各現場の担当者に状況をヒアリングしたり、実際に現場に状況確認に行くといったことが頻繁に生じていました。工場の管理者目線でも、トラブルが起きても状況把握に時間が掛かっており、可視化が不十分だな…という風に感じていました。
M2Xを選んだ主な理由は、スマートフォンで簡単に入力できる点です。年配の従業員やPC操作が苦手な方でも、直感的に記録することができ、導入のハードルが低いと感じました。実際に、スプレッドシートでのトラブル記録では、パソコンに不慣れな従業員にとっては操作が難しい面もありましたが、スマートフォンは年齢を問わずプライベートでも使っているため、誰でも簡単に記録できると感じました。
また、リアルタイムで画像や動画も添えて情報を共有できるという点が、現場内の情報連携のスピード・対応の質の向上に繋がるのではないかという期待がありました。
工程トラブルの状況をリアルタイムに写真・動画で把握。現場との密なコミュニケーションにより、対応スピードも向上中
特別なことは何もしていません。ただ、若手社員を中心に、スプレッドシートへの記録よりも”楽になった”という面はあるかもしれません(笑)
トラブル発生時には、現場で画像や動画を撮って、その場で記録を残せるので、利用開始後1週間ほどテスト入力期間を設けましたが、その後はすぐに現場に定着しました。実際に、現場からも「M2Xの方が記録しやすい」という前向きな声をもらいました。
従来のスプレッドシートとの比較で、すぐに感じた効果が2つありました。
1つ目は、期待通りではありますが、画像・動画を添付でき、かつ、スマートフォンに通知も来るため、現場で起きているトラブルがリアルタイムで客観的に理解できるようになったということです。文章では説明が難しいことも、画像データがあると一目で状況がわかり、以前のような”現場に行かないとわからない”といったことがなくなりました。
次に、1つ目の効果にも付随することではありますが、現場オペレーターへの指示や対策の議論が以前よりスムーズにできるため、トラブルの対応スピードが上がっていると感じます。
以前のように現場に行って状況を把握する必要がなくなり、M2Xの中で即時に現場オペレーターに指示を出すといったことも可能になりました。また、管理者も同じ情報を見ながら議論ができるため、伝言ゲームのように、人を介して確認を促すといったことも不要になりました。M2Xに記録されたタスクごとに直接コミュニケーションでき、かつ、チーム全体で同じ情報に触れられるという点は大きなメリットと感じています。
また、スプレッドシートでは後から振り返った時に、何のことを言っているのかよくわらなくなってしまうということもありましたが、M2Xでは画像やコメントの履歴などから、どういったトラブルだったのか、どういう経緯で対応したのかといった具体的な情報を残すことができるので、振り返りの観点でも有効だと感じています。
従業員の中長期的なスキルアップにM2Xを活用していきたい
今後は、オペレーターのスキルアップにも活用していければと考えています。
以前は、オペレーターから報告される各工程トラブルの対策は、毎朝の管理者ミーティングで議論し、決まったことだけが現場に伝達されるといった流れで、各工程のオペレーターの立場からすると、どういった経緯でその対策を講じることになったのか等が見えにくかったと思います。
M2Xを導入してから、徐々にではありますが、オペレーター自身がトラブルの原因や対策を自発的に考えるようになってきていると感じます。各担当者がM2Xの中で上長とコミュニケーションを取りながら、対策が決まるプロセスを追いかけることができるため、それぞれの当事者意識の向上に繋がっている面もあるように思います。
また、現場の声としても「以前より、他の部署の状況も見えるようになり、担当外の工程にも関心を持つようになった」というような意見も出ています。
オペレーターのスキルアップの観点の一貫として、M2Xを活用した部品の一元管理もこれから実現していきたいことの1つです。今は工程ごとの管理となっていて、同じ部品でも異なる呼称が使われている等、工場としての一元管理は全くできていません。
ただ、M2Xを使いこなせば、設備トラブルとも紐づけながら、簡単に部品の一元管理を実現できます。どの設備でどの部品が使われていて、どのくらいの周期で交換して…といったデータも、工場全体のノウハウとしてしっかりと活用できる形にしていければと思いますし、M2Xを使いこなせればそれができると思っています。