株式会社タチエス
課題
- 紙・Excelによる保全記録で、拠点間のデータ連携が困難
- 工場ごとに独自運用が定着し、標準化が進まない
- 以前のシステムでは入力項目・ダッシュボードのカスタマイズが困難だった
解決策
- 帳票の入力項目を元の自社帳票に合わせて柔軟に設定
- ダッシュボードのグラフを自由にカスタマイズして可視化
- 要望への即日対応で、トライアル中から機能拡張を実感
選定理由
- 入力項目や呼称を自社の帳票どおりに設定できる圧倒的な柔軟性
- 導入・切り替えのネックになりがちな初期設定の負担を、細部まで行き届いた仕様で最小化
- PC・スマートフォン・タブレット、OS・端末問わず操作に迷わないシンプルなUI
- ダッシュボードの集計軸やグラフを自由に設定可能
- 要望へのクイックな対応。以前のシステムでは数週間かかっていた改善が即日レベルで実現
- トライアル中に新機能リリース。将来の機能拡張性とAPI連携に向けた期待感
株式会社タチエス様は、「互譲協調」の精神のもと、開発から生産まで一貫して手がける国内屈指の独立系自動車シートメーカーです。高級車から軽自動車・トラックまで幅広い車種のシートを供給し、東証プライム上場、9カ国・53拠点のグローバル体制で事業を展開されています。今回は、設備保全DXを推進される生産技術総括管理部 設備管理企画課の川口 貴洋様・濱畑 裕之様に、設備保全システムを切り替えた経緯と評価ポイントについて伺いました。
(下記の所属及び役職は取材当時(2026年3月)時点のものです)
生産技術総括管理部 設備管理企画課
川口 貴洋様 / 濱畑 裕之様
保全システムを導入された経緯と、最初に導入されたシステムでの課題を教えてください。
以前は紙やExcelで保全記録・点検・予備品管理を行っていました。Excelで自動化を図っていた部分もありましたが、工場ごとに独自の運用が根付いており、記録フォーマットも管理ツールもまちまちでした。2020年に設備保全を統括する組織が一つにまとまりましたが、それまでは各拠点が別々の管理体制を持っていたため、拠点間での情報連携やデータ共有はしたくてもできない状況でした。
2023年、会社全体のDX推進の流れを受けて保全システムも導入を検討し、展示会で、最初に導入したシステムを知りました。その時点では「保全報告を紙での記入からアプリでの入力に変える」という、いわゆる「ペーパーレス化」が第一の目的でした。現場からは新しいものへの戸惑いの声もあがりましたが強力に推進し、保全記録のデジタル化というDXの第一歩を踏み出すことができました。
ただ、運用を進めるにつれ、限界も感じるようになっていきました。というのも、その時のシステムは記録項目の自由度が低く、残したい情報を自社の粒度で蓄積することが難しい状況でした。加えて、ダッシュボードも決まった形式のみで、管理者が見たい軸で自由にグラフを作ることが叶いませんでした。「自社の運用に完全に合致するシステムは存在しない」と考え、工夫しながら使っていましたが「このままデータを蓄積しても、保全の進化につなげられないのではないか」という危機感も強まっていました。
また、以前のシステムはOSや端末に制限があり、当時すでに現場に配備していた端末では画面表示が崩れるなど、ベストな状態で使えない場面がありました。これが結果的に、工場や個人レベルでの浸透のバラつきにもつながっていました。
残したい情報を、残したい形で記録できない。そこが、次のシステムへの出発点だった。
M2Xのトライアルを決めた理由と、評価ポイントを教えてください。
展示会でM2Xのブースに立ち寄ったとき、その場で、現システムで感じていた課題に対する対応を確認しました。そこで、以前のシステムとは違うかもしれない、と感じ、トライアルをしてみることにしました。第一に確かめたかったのは、以前のシステムと同等以上の機能が使えるかどうか、そして、システム導入以前からの自社の帳票・記録項目をM2X上でそのまま再現できるかどうかという点でした。
実際にトライアルしてみると、違いを感じる場面が多くありました。帳票の項目も、ダッシュボードのグラフも自由度高く、思い通りに設定できました。以前のシステムでは制約の中で「運用をシステムに合わせて」使っていたのに対し、M2Xでは「運用にシステムを合わせる」ことができ、その上で、運用を更に進化させることにもつなげられるのではと感じました。
初期設定の負担の小ささも、切り替えを後押しした要因の一つでした。システムの導入・切り替えにあたっては、データを揃えて環境を整える初期設定の手間が、しばしば大きなネックになります。M2Xは細部まで行き届いた仕様により、想定よりずっと少ない工数でセットアップが進められました。「ここまで軽いなら、踏み出せる」という感覚は、導入の意思決定を後押しする上で、カスタマイズ性と並んで重要なポイントでした。
すでに配備されていた端末でも制約なく使うことができる安心感もあり、現場からも「シンプルでわかりやすい」という声を多くいただきました。
「切り替えの壁」を低くする設計。初期設定の軽さが、踏み出す勇気をくれた。
トライアル中の機能リリースや対応スピードはどのように評価されましたか。
トライアル期間中、在庫区分の機能がリリースされ、保管場所の機能にもアップデートがありました。ちょうど「新品・中古品をどう管理するか」「同じ部品で保管場所が複数あり、それぞれで在庫管理したい」といった課題が内部で議論になっていたタイミングだったので、ドンピシャで解決する機能が出てきたことに驚きました。
その他のシステムでも改善要望に対応してもらえることはありますが、通常は数か月単位の時間がかかることがほとんどです。M2Xはクイックで、中には即日レベルで対応してくれることもあり、そのスピード感は印象的でした。
要望が、トライアル中に実装されて届いた。そのスピードが、将来への期待感になった。
正直、M2Xさんはまだ歴史も浅いスタートアップ企業ですから、最後の最後まで「本当に導入していいのか」と迷う部分もありました。今後もアップデートし続けてもらえるのかという不安は、私個人としては最後まであったのは事実です。ただ、現場スタッフが実際に触れてみて「使いたい」「使いやすい」と言ってくれたことが、一番大きな後押しになりました。自動車業界での導入実績が増えてきたことも、信頼感につながりました。
現在の活用状況と、今後の構想を教えてください。
現在は国内4拠点での本格運用の初期段階ですが、現場のスタッフにも積極的に触っていただいています。困った際に、チャットでの問い合わせに迅速かつ的確に回答いただける点も、心強く感じています。管理者としては、ダッシュボードで各拠点の状況を自分たちの視点で自由にカスタマイズして可視化できる点がすごく良いと感じています。
今後の構想としては、まず国内拠点での運用を確立し、成果が出た段階でグループ会社・子会社への展開等も見据えています。その先にはタイやメキシコなど海外拠点への展開も考えており、多言語対応などの面で期待も寄せています。
さらに将来的には、蓄積された保全データを活用した予知・予防保全への移行を展望しています。生産計画・製造のデータと併せてMTBFやMTTRを分析できる環境を届けるため、M2Xを基幹システムとAPI連携させる構想も持っています。M2Xのデータ蓄積と拡張性の高さがあってこそ、その構想が現実味を帯びています。