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導入事例

「止まるのは、しょうがない」から脱却!部品欠品・現場往復を「ゼロ」にしたテイケイ気化器の挑戦

「止まるのは、しょうがない」から脱却!部品欠品・現場往復を「ゼロ」にしたテイケイ気化器の挑戦

2026.5.27

テイケイ気化器株式会社

事業内容

気化器、バルブ、燃料ポンプ等製造・販売

創立

1953年5月14日

従業員数

180名

  • 標準化

  • ナレッジ蓄積

  • 稼働率・ロス改善

  • 課題

    紙・Excel・自作VBAによる保全記録で、毎朝1〜1.5時間の入力作業が常態化していた

    部品在庫が「担当者の頭の中」にしかなく、欠品による設備停止が毎月複数回発生していた

    「止まるのはしょうがない」という諦め文化が定着し、生産スケジュールが常に再調整をお願いし、崩壊リスクにさらされていた

  • 解決策

    在庫の状態を把握し、不足部品の補填を実施。部品データをM2Xに登録し、入出庫をリアルタイム共有。部品欠品がほぼゼロに

    メンテナンス、修理依頼が写真付きのデジタル記録に移行し、保全担当者の「現場への往復」がゼロに

    同一不具合の繰り返しが可視化され、「そんなもんだ」で見過ごされてきた原因にたどり着けるようになった

  • 選定理由

    帳票・設備台帳・部品台帳の入力項目を自由にカスタマイズできる圧倒的な柔軟性と直観的に使えるUI

    「スケッチを加えて依頼する、結果回答する」現場コミュニケーションをそのままデジタル化した写真撮影+書き込み機能

    トライアル中から要望に即対応。「ちゃんと見てくれている」と感じた営業・サポートの姿勢

    テイケイ気化器株式会社様は、農機、産業機器向け汎用小型エンジン部品、マリン用小型エンジン部品、(キャブレター・燃料バルブ・エアフィルター等)を製造する専門メーカーです。アルミダイカスト型140型超・樹脂型約100型、合計240型以上の金型を擁し、多品種の部品を量産される現場では、金型保全の精度と速度が生産ライン全体の稼働率を直接左右します。

    今回は、M2X導入を推進されたものづくり改革推進課の福岡様、班長の佐々木様および課長の井口様に、保全DX推進の経緯と現場の変化についてお話を伺いました。

    毎朝1〜1.5時間の入力作業。部品の在庫は「担当者の頭の中」にしかなかった

    ー まず、担当業務と保全業務への関わり方を教えてください。

    佐々木さん(以下、佐々木):金型保全の担当をしています。アルミダイカストで使う金型のメンテナンスや修理、あとは樹脂成形で使う金型の整備も担当しています。

    福岡さん(以下、福岡):私は工具管理を担当しています。工場で使うドリルなどの刃物の数管理や入出庫、刃物(ドリル)に関することを包括的に担っています。

    ー  導入前、紙やExcelで管理していた頃の保全業務の様子を教えてください。

    佐々木:私が金型保全を担当するようになってもう5〜6年になりますが、最初から記録は全部、紙でした。修理や整備依頼を紙でやり取りして、結果をコピーして現場に渡して原紙はこちらで保管。それが溜まっていく一方で、トラブルが起きるたびに全部めくり返していく。「いつ何を換えたっけ」とか、「いつこんな不具合が出たっけ」とか。

    さらにその内容を毎朝パソコンに入力していたんです。大体1時間から1時間半かけて、毎朝入力してましたね
    担当者・作業時間・整備した金型の記録を、複数のExcelファイルを行き来しながら打ち込む。依頼が完了したかどうかも全部手入力で。ただただ「めんどくさい、なんとかならないかな」とずっと思っていました。

    福岡:私も状況は似ていて。複数のExcelファイルに別々に入力して、別々に集計して、紙からデータを拾ってきてまた入れての繰り返しでした。正直「何やってるんだろう」と思いながらやっていましたね。

    ー 特に大変だったのは「部品管理」だったと伺いました。「部品管理」では、どんな問題が起きていましたか。

    佐々木:一番しんどかったのは、部品(ピン類)の在庫管理でした。どの部品が何本あるか、それが担当者それぞれの頭の中にしかない状態だったんです。使用記録を書いた紙はあるんですが、誰かが書き忘れれば即座にズレる。いざ修理に取りかかろうとしたとき、「部品がない」ことが初めてわかる。

    ないなら急いで作るしかないんですが、普通の鉄で作ったピンは強度が弱くて寿命が短いんですよね。表面処理を外注に出せばリードタイムはさらに延びる。その間、その金型は修理できない。保全できなければ他の品目にシフトするしかなくて、シフトした瞬間、生産管理部署が丁寧に組んでくれたスケジュールが崩れる。すると別の部品が足りなくなり、また別の金型が修理できなくなり——。と、「部品がない」ことからはじまって堂々巡りで、いろんなところに迷惑をかけていたんです。

    ー 「部品がない」ところから、トラブルがループ状態のようになっていたんですね。現場での損失はどのくらいのものでしたか。

    佐々木:設備停止は1回あたり約2時間のロスで、それが月に複数回は発生していました。でもそのデータを誰も集計していなかった。「そんなもんだ」という感覚が現場にあって、わざわざ数えるという発想がなかったんです。

    井口さん(以下、井口):私が着任したとき(2024年9月)、外から見て一番強く感じたのはそこでした。「止めちゃいかん」ではなく「止まるのはしょうがない」という文化が根付いてしまっていた。設備を動かしてなんぼで儲けていかないといけない会社なのに、止まることはやむを得ず、という感覚が定着していたんです。

    この状態が続いたときの最悪のシナリオは、誰もが想像できます。部品がなく保全が遅れれば、品質不具合が起きる。不具合が出れば得意先への損害につながり、場合によっては生産ライン停止という事態にもなりかねない。賠償の話になれば、想像もしたくない数字になります。

    自作VBAの限界、増え続ける生産要求。「しょうがない」が通じなくなった日

    ー 問題意識はずっとあったと思いますが、今回踏み出したきっかけは何でしたか。

    福岡:まずは、自分でVBAを組んで業務を効率化しようとしたんです。紙でやり取りしていたものをパソコンで管理できるように、メンテナンスの依頼から受注、その後の対応までの一連の動きをデータ化するようなプログラムを組みました。一定の効果はあったんですけど、素人の組んだVBAには限界がありましたね。
    Windowsのアップデートで動かなくなったり、ファイルの置き場所を変えた瞬間にシステムが破綻したり。「その人のPCが壊れたら終わり」という状態でもあって。これ以上の要求には応えられないな、というのはずっと感じていました。
    「もっとちゃんとした、信頼のできるシステムが必要だ」と思い始めていたちょうどそのころ、展示会でM2Xさんを見かけたんです。

    佐々木:福岡さんが展示会でチラシを持ち帰ってきてくれて、ホームページを見て、「設備保全がメインのシステムだけど、金型保全にも使えるんじゃないか」って。それを一緒に課長に相談したのが、始まりでしたね。

    ー 会社としての背景もあったのでしょうか。

    井口:会社全体でDX推進のプロジェクトが組まれていたこと、大手産業機械メーカーとの取引で生産台数の大幅増加が始まっていたこと、そういった事業環境の変化もありました。「しょうがない」が通用しない生産量を求められていることに、現場との認識差が浮き彫りとなっていました。この二人が提案してくれたタイミングはまさにジャストインタイムでしたね。「今のまま続けることのリスク」は外からの目には明白でしたから。

    「導入しても使われなければ意味がない」。決め手は、機能だけでなく寄り添う姿勢だった

    ー 比較検討される中で、初回の打ち合わせでM2Xにほぼ絞られたとのことですが、決め手は何でしたか。

    福岡:最初に画面を見たとき、「これは使えるな」という感覚が直感的にありました。考えなくても使える、という感じ。うちには継続雇用のベテランの方もいるんですが、そういう方でも使いやすいと思えたんですよ。システムによっては、使い慣れるまでに時間がかかるものも多い印象でした。M2Xはその点、初めて触れる方でも迷わず使える感覚がありました。
    例えば、スマホが使えない人ってほとんどいないじゃないですかそれと同じで「M2Xなら使えそう」という雰囲気を感じたんです。パッと渡して「はい、使ってみてください」ができそうだな、と。
    それと、記録した写真に線が引けるんですよ。丸もつけられる。これ、めっちゃ素敵じゃないですか!(笑)あれは本当にテンション上がりましたよね。

    佐々木:元々、現場では紙に記録する文化でした。言葉で足りなければ、「手書きで絵を描いて不具合箇所を示す」というコミュニケーションが日常だったんです。言葉だけで「どこがどう」と伝えるには限界があるから、絵を描いた。でも、絵だから認識がずれるんですよね。
    紙でやっていたことがそのままデジタルになる、写真なら共通のイメージで、かつ印もつけているから、誰もが迷わず判断できる、というのがすごくよかった。

    福岡:あと、クラウドであることの安心感も大きかったです。自作のVBAは「その人のPCが壊れたら終わり」だったんですよ。でもメールアドレスとパスワードさえ分かれば、どこからでもどのデバイスからでもログインできる。PC端末が変わろうとスマホが変わろうと、何も考えなくていい。あの心理的なストレスがなくなったのは、本当に大きかったです。

    ー トライアルもしていただくなかで、M2Xがよかったと感じるエピソードはありますか。

    福岡:要望を伝えると、すぐに反応が返ってくる。「今開発中です」「他社様からも同様のご要望をいただいており、対応しています」という返答が続いて、実際に機能として実装されていくんですよ。「トライアル中なのに、こんなに要望を聞いてもらっていいの?」という驚きがありました。商談の場では売り手側の説明が中心になりがちですが、M2Xは終始こちらの状況や要望を引き出してくれる姿勢が印象的でした。M2Xはちゃんとこちらを見てくれているな、と感じたんです。それが最終的な決め手でしたね。

    サポートのチャットもめちゃくちゃ速くて。「おってお返事します」じゃなくて、聞いたらすぐ返ってくる。M2Xさんはパートナーとしてどんどん動けちゃう感じが、本当に魅力的でした。

    「止まるのはしょうがない」が、聞こえなくなった。データが変えた現場の空気

    ー 導入後、最も大きな変化はなんでしょうか。

    佐々木:一言で言うと、「毎朝の入力業務も、欠品もほぼなくなりました」。部品データをM2Xに登録して、入出庫を全員がリアルタイムで共有できるようになったんです。担当者の頭の中にしかなかった在庫情報が、誰でもどの端末からでも確認できるようになった。ただただめんどくさかったあの入力作業もM2X上での入力に一本化されて、現場がぐっと効率化されたんです。
    例えば、「このピン、まだありましたっけ?」と聞いて回ることも、急きょ代用品を作ることも、ほとんどなくなりました。保全が必要なタイミングに、ちゃんと対応できる。これはすごく大きいです。

    福岡:修理依頼の形も変わりましたね。依頼する側が写真を撮って「ここがこうなっているので、修理してください」と送ってくれるんです。受ける側は現場まで見に行かなくていい。往復がなくなった分、対応が速くなりました。「いちいち聞かれなくなった」というのも大きくて。確認の電話も、「現場にちょっと見にきて」もなくなった

    佐々木:あとは、データがM2X上に蓄積されてきて、同じ箇所に何度も不具合が出ていることが、写真の一覧を並べると一目でわかるようになりました。丸をつける場所がほぼ同じなんですよ。それが見えたとき、「この不具合は何度も起きてるじゃないか」という認識が初めて生まれたんです。「そんなもんだ」では片付けられなくなった、ということです。

    ー 現場以外への波及効果はありましたか。

    福岡:私は社内DX推進チームのメンバーでもあるんですが、これまで自作システムしかメンバーとしての実績がなかったんです。でも今回M2Xという「使い続けられる安心のシステム」を1つ導入できた、という実績を作れました。データとしての信頼性が自作とは全く違いますからね。
    なによりM2Xを使っていない他部署のスタッフが、閲覧権限のみのアカウントを通じてシステムに触れ始めたんです。「在庫がすぐ見られるらしい、ちょっと見せてほしい」という声が上がってきました。まず「見るだけ」から、次に「使ってみる」と段階を踏みながら、M2Xを起点に社内のDXが進んでいく道筋が自然にできてきたんですよね。

    井口:みんなの考え方が変わってきている気がしますね。先駆けて導入したことで、「うちの部署でもそういうソフト探そうかな」という声も出てきていて。DX自体が社内で活性化してきているという実感があります。
    それと、定着という意味では若手の存在が大きかったですね。タブレットに触り慣れているからか、飲み込みがとにかく早い。「こうすればいいですか?」って一度聞いたら、次からはもう全部自分でダーってやってくれる。その姿を見て、ベテランの方も「じゃあ自分もやってみようか」という空気になっていきました。

    ー 副次的な効果もあったんですね。今後の期待や構想についてもお聞かせください。

    福岡:今は自作システムとM2Xを二刀流で使っているんですが、全部品の入出庫履歴を一覧で確認できるようになれば、M2X一本に完全統合できます。私が自作で4,000品番を管理できているくらいなので、それが実現すれば社内の他部署の在庫管理にも広げていける。
    将来的にはM2Xを社内の基本システムとして位置づけたい、と思っています。

    ー 最後に、同じような課題を抱えている保全担当者へメッセージをお願いします。

    福岡:「今やっている作業がめんどくさいと思っているなら、とりあえずまず入れてみませんか」、という一言に尽きますね。スマホが使えれば、M2Xは必ず使えます。それくらい直感的に使えるツールなので、難しく考えず、気軽にやってみてほしいです。

    佐々木:「なかなか社内で承認が出ない」と悩んでいる方も多いと思いますが、まず現場の担当者に触ってもらうことが一番の近道だと思います。実際に使った人が「これならいける」と言ってくれれば、話は早い。トライアルで試すだけでも、意味があると思いますよ。

    取材を終えて──M2Xより

    取材中「止まるのはしょうがない」という言葉が何度も出ました。240型超の金型を抱え、欠品や毎朝の入力作業を宿命と捉えていた現場。しかしM2Xを通じ、自ら変革を推進される福岡様、佐々木様、井口様の熱意に触れ、身が引き締まりました。現場の皆さんの保全がもっと楽になるよう、今後も皆様を支えるパートナーとして、引き続き全力でサポートしてまいります。

    (取材・文:M2X)

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